Everpure は、ピュア・ストレージの進化形です。これが何を意味するのかを理解するには、まずピュア・ストレージが他社と何が違っていたのかから始めるのがわかりやすいでしょう。
ピュア・ストレージが設立された当時の目標は、オールフラッシュへと移行しつつある世界に向けて、エンタープライズ・ストレージのあり方を再考することでした。これは、従来型インフラに起因する混乱の解消、性能の向上、運用の簡素化を意味します。
そこで、Evergreen アーキテクチャのようなイノベーションが生まれ、ダウンタイムやデータ移行なしでシステムをアップグレードできるようになりました。時が経つにつれ、そのアプローチは、オンプレミスとクラウドを横断する一貫性のある運用環境へと拡大し、ブロック、ファイル、オブジェクトがグローバルなストレージプールにネイティブに統合されるようになりました。従来の 1 つのアーキテクチャ、1 つのワークロードというストレージのあり方とは大きく異なります。
そして、このアプローチは成功しました。ピュア・ストレージは、ストレージの運用を容易にする企業として知られるようになりました。しかし、課題は変化しました。
今、何が違うのか?
従来型インフラのアプローチが原因で、多くの環境において、ストレージは依然として最大の制約の一つとなっていました。かつては、その制約に対処するために、より多くの時間、コスト、労力を費やしていました。「現状維持」はできていました。しかし、「真のイノベーション」を推進することはできていませんでした。そんななか、状況は一変し、 変化への圧力が一気に高まりました。
現在、リーダーは、コア・アプリケーションをサポートし、システムの安定性とセキュリティを維持すると同時に、AI、リアルタイム分析、データ駆動型運用などの新たなニーズへの対応が求められています。このようなニーズは、なだらかな曲線を描いて増えるものではなく、老朽化したアーキテクチャで解決できるものでもありません。従来の環境では対応できない形で急増し、変化し、拡大します。
特に AI は、これまでの前提を大きく変えます。
単にデータを保存するだけでは不十分です。 データは、可用性が維持され、再利用され、環境間で絶えず移動している必要があります。トレーニング、チューニング、推論は全て、往々にして同時に異なる場所に存在する、同じデータへのアクセスに依存しています。
それが破綻すると、チームは唯一可能な方法でその穴を埋めようとします。システムを稼働させ続けるためだけに、追加のコピーを作成したり、スクリプトを追加したり、手作業による労力を増やしたりします。これにより、歪みが顕在化し始めます。
データ量が増加し、データの移動頻度が高まるにつれ、システムごとにストレージを管理するように設計された環境は、次第に対応が遅れ始めます。ガバナンスの維持が難しくなり、可視性が低下し始め、それに合わせて全てを調整するために必要な労力が増大します。
これは、ストレージの性能や容量自体の問題ではありません。現在のデータの利用方法と、従来の管理方法との間にミスマッチが生じているのです。Everpure は、まさにこのギャップを埋めるために存在します。
Everpure の差別化要素とは?
もしも問題が、単にデータがどこに保存されているかという点ではなく、どのように管理されているかという点にあるのならば、システムやツールを追加しただけでは解決にはなりません。必要なのは、アーキテクチャの抜本的な変革です。すなわち、孤立したサイロではなく、仮想データプールを構築するような、統一されたアーキテクチャです。真の無停止アップデートと、ワークロードに関わらずシームレスなスケールをサポートし、常に最新を維持する Evergreen なアーキテクチャです。そして、無数の孤立したポリシーではなく、グローバルなポリシーによって管理を自動化する、単一の自律型コントロール・プレーンが必要です。
Everpure で何が変わるかというと、環境全体でデータがどのように処理されるかということです。各システムごとにストレージを管理する他のベンダーの製品とは異なり、Everpure のプラットフォームは、データ全体を統合されたリソースとして管理するように設計されています。
このモデルは、データがオンプレミスにある場合でも、クラウドにある場合でも、あるいは AI パイプラインを駆動している場合でも、同様に適用されます。各環境ごとにポリシーを再作成する必要はなく、データが移動するたびに再構成や再保護を行う必要もありません。データへのアクセスを確保するためだけに複数のコピーを作成することなく、データを再利用できます。保護とガバナンスは、一度定義されれば一貫して適用されるため、環境の規模に応じて変動することはありません。また、環境が成長するにつれて、全てを整合させるために必要な管理負荷も低減します。
ここに、従来のモデルとの違いが現れています。従来の多くの環境では、単一のアプリケーションやワークロード向けに設計された分離したシステムを利用しており、システム間でワークフローをつなぎ合わせて需要に応えています。Everpure では、プラットフォームがその役割を担うため、データの増大や移動に伴って管理負荷が増大することはありません。これは、ストレージを置き換えることではなく、ストレージ全体でデータがどのように処理されるかを変えることを意味します。
単なる「プラットフォーム」ではない理由
多くのベンダーは、自社製品を「プラットフォーム」と表現しています。しかし、ほとんどの環境では、複数のシステムを連携させる必要があるのが実情です。Everpure は、高度に統合されたアプローチを採用しています。
業務に支障をきたすことなく進化できるよう設計されたアーキテクチャを基盤としているため、アップグレードや拡張の際にも、ダウンタイムが発生せず、大規模な変更も必要ありません。異なる環境間でも一貫した運用モデルを採用しているため、データのプロビジョニング、保護、ガバナンスの方法は、場所が異なっても変わりません。
また、ポリシーを一度定義すれば、プラットフォームがそれを実行します。整合性を保つための手作業の負担は軽減されます。重要なのは、これらの機能のどれか一つではありません。手作業で無理につなぎ合わせる必要がなく、それら全てが一つのシステムとして連携して機能する点です。
エンタープライズ・データ・クラウド:データドリブンな組織への道
この時点で、データの振る舞いに変化が現れ始めます。一貫性のあるプラットフォームでデータを管理すると、個々のシステムに縛られることがなくなります。データは、全体の一部として、アクセスや移動、ガバナンスが可能になります。
これこそが、エンタープライズ・データ・クラウドが具現化する世界です。
インストールする製品や、追加する別のレイヤーではありません。データをシステムごとに管理するのではなく、環境全体で共有するリソースとして扱えるようになったときに、初めて創出されるものです。ボリューム、アレイ、環境の観点から考えるのではなく、データ自体の観点から考えるようになります。データとは何か、どのように利用されるのか、性能、保護、コンプライアンスの面で何が必要なのか、という思考へのシフトです。
これが運用を変える要素となります。
パイプライン間で重複することなく、データを再利用できます。ガバナンスは、データが存在する場所に依存しません。また、同じポリシーがあらゆる場所で適用されるため、環境間の移動によって新たなリスクや手直しが生じることはありません。これは、ストレージ管理からデータ管理へのシフトを意味します。そして、特に AIによってビジネス全体でのデータの量、移動、再利用がますます増加する中で、需要の増大に環境が対応し続けることを可能にします。これが、めざすべきモデルです。次に生まれる問いは、実際にこれを誰が実現できるかです。